スポーツ

《大谷翔平の2025年》「二刀流」復活へ向けて“失敗しないプラン”とは?「登板間隔は2週間に一度」「佐々木朗希とカバーし合う体制」【岡島秀樹氏×福島良一氏対談】

大谷翔平が真美子夫人の妊娠を報告したことも話題に(NBA Japan公式Xより)

大谷翔平が真美子夫人の妊娠を報告したことも話題に(NBA Japan公式Xより)

 昨年は前人未到の50本塁打・50盗塁を達成し、初の世界一にも輝いたドジャース・大谷翔平(30)。今年は二度目の右ヒジ手術からの「二刀流」復活に大きな期待がかかる。元メジャーリーガーの岡島秀樹氏とメジャー取材歴50年の福島良一氏が、どんな1年になるかを大予想した。

大谷「二刀流」はどうなる?

岡島:昨年は素晴らしい成績でした。1年間ケガがなければ50本塁打はいけると思っていましたが、盗塁でイチローさんの記録を抜いたのは本当に凄いなと思いましたね。

福島:移籍で環境が大きく変化したのに、2年連続のホームラン王、初の打点王、最終試合に三冠王の可能性まで残していた。50-50を達成してワールドチャンピオンに輝くという大谷選手にとって最高のシーズンでした。

 ただ、ワールドシリーズ第2戦で盗塁した時に左肩を脱臼。オフに手術しました。右ピッチャーにとって左肩というのは重要なんでしょうか?

岡島:バランスは大切ですからね。右腕だけで投げられると思うかもしれませんが、左腕がきちんと使えないと微妙なコントロールが悪くなる。バッターとしても、左腕の押し込みがないとボールがあと一息伸びない。リハビリでしっかり治さないといけません。

福島:デーブ・ロバーツ監督は日本での開幕戦(3月18、19日)では二刀流の可能性がゼロに近いと言っている。メジャーでは一度目のヒジの手術後の復帰は成功率90%以上といわれますが、二度目は60~70%に下がるとされます。球団としても慎重になるのでしょう。

岡島:開幕に間に合わせようとか、前半でガンガン投げようとすると、1年もたないリスクが出てくる。長い目で見て二刀流の本格復帰は今年より来年のほうがいいんじゃないかと思っています。今年は長いイニングではなく、試運転の感じで慎重に投げていってほしい。

福島:そのために、ドジャースはオフの補強でア・ナ両リーグでサイ・ヤング賞を受賞した左腕のブレイク・スネルを獲得したり、佐々木朗希選手を獲りにいくなどして投手陣の層を厚くしています。山本由伸選手、大谷選手、タイラー・グラスノーもいて、今年は開幕から6人の先発ローテーションになるでしょう。

岡島:メジャーは中4日が基本ですが、山本君も中4日では投げられない。大谷君も中5日や中6日では難しいから、「2週間に一度」といった登板間隔になるのではないか。佐々木君が加入すれば、大谷君と2人で体調が悪いほうをそうじゃないほうがカバーする体制が作れます。

 あとは大谷君が、エンゼルス時代の二刀流のスタイルとどう変えていくかもポイント。当時は先発した翌日にDHで出場するといったフル稼働を続けていたが、後半戦はもたないことが多かったし、体がつったりもしていた。

今のほうが年齢を重ねているので、体力は落ちてきます。メジャーは長距離移動の負担も大きく、20代と30代では負荷が全く違うんです。どう休養するかの見極めが必要。若いうちにいろいろと挑戦してほしいが、休息だけではカバーできない面も出てくると思う。

福島:あと、投手に復帰するなら盗塁も減りますね。

岡島:ケガのリスクがあることは、本人も分かっているはずです。ワールドシリーズでも、別にアウトでいいのにタッチを逃れようと体をひねったりしたから、脱臼につながった。そういうケガは怖いので、今後は意識して抑えていくと思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン