幼い玉井陸斗と2ショット

幼い玉井陸斗との2ショット

「(5本目に失敗した時は)びっくりして心臓が止まりましたわ。血圧が上がって、もうアカンと放心状態になりました。玉井君には『頑張ったらアカンで』とずっと言ってたんです。あの種目は玉井君も自信があるから“金メダルを決めてやろう”と思ったんやと思う。あの子も若いわ。帰ってきたら“あんた、頑張りすぎたな”と頭をコツンと叩いてやろうかなと思っています(笑)」

 自身もメダルが期待された1964年の東京五輪では大声援のプレッシャーに負けて7位入賞で終わったが、その経験を生かして大きな大会では“頑張り過ぎないように”と玉井ら教え子に指導してきた。

「でも、金メダルを獲れなかったほうが玉井君にとってよかったのかもしれない。こういう失敗をしたことが、今後に生きる。そういうことがわかる子やからね。いい薬になったと思う。金メダルを獲ると守りに入るようになる。まだ17歳と若いし、もっともっと上手になる。今でも世界で1番の技を持っているし、美しさでは中国の選手でもかなわないからね。4年後の五輪は私が年齢的に心配ですが、期待しています」

 笑顔でそう語っていた馬淵さんだが、2028年のロス五輪で玉井が表彰台の一番高いところに立つ姿を見ることはできなかった。謹んでご冥福をお祈りしたい。

◆取材・文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)

関連記事

トピックス

亀梨和也
亀梨和也がKAT-TUNを脱退へ 中丸と上田でグループ継続するか話し合い中、田中みな実との電撃婚の可能性も 
女性セブン
水原問題について語った井川氏
ギャンブルで106億円“溶かした”大王製紙前会長・井川意高が分析する水原一平被告(40)が囚われた“ひりひり感”「手をつけちゃいけないカネで賭けてからがスタート」【量刑言い渡し前の提言】
NEWSポストセブン
ボブスタイルにイメチェンされた佳子さま(時事通信フォト)
「ボブスタイルに大胆イメチェン」「ご両親との距離感」に垣間見える佳子さま(30)の“ストレスフリーな一人暮らし生活”
週刊ポスト
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子
「娘は大丈夫、元気です。でも…」小島瑠璃子(31)の母が明かした“困惑” 現場に居合わせた赤ちゃんは無事《夫は緊急搬送され死亡》 
NEWSポストセブン
吉田義男さん
追悼 阪神元監督・吉田義男さんが明かしていた思い「V9時代の巨人に勝てる気はしなかったが、監督として川上巨人を手本にチームづくりしたことはない」
NEWSポストセブン
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子(HPより、現在は削除ずみ)
《母親も駆けつけた緊迫の一部始終》第一発見者の小島瑠璃子も救急搬送、現場では「ドンッドンッ」と音が
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《舌、眼球を取り出して…》田村瑠奈被告の母親、遺体損壊を知りながら通報できなかった理由を語る「親としての気持ちがあった」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子
《小島瑠璃子が緊急搬送》夫の実業家はサウナ事業を展開「オープンしなかった…」「この半年で資本金大幅減」
NEWSポストセブン
新製品
《大騒動》秋葉原のPCショップに300人以上の転売ヤーら殺到…近接する幼稚園への侵入者に職員が「さすまた」で対応する緊迫の瞬間も
NEWSポストセブン
旧5人のメンバー。左から石崎琴美、吉田知那美、吉田夕梨花、鈴木夕湖、藤沢五月(時事通信フォト、Loco Solare)
《崖っぷちのロコ・ソラーレに新メンバー加入!》背景には3つの「切実なチーム事情」 「今季14戦で優勝ゼロ」で五輪3大会連続出場に最大の危機
NEWSポストセブン
事務所『シャシャ・コーポレイション』を40年近く支えてきた小林聡美(左)ともたいまさこ(右/時事通信フォト)
《事務所が昨年末に解散》女優の小林聡美が還暦前に独立『やっぱり猫が好き』考案の社長との別れ、盟友もたいまさこは事実上の引退へ
NEWSポストセブン
“怪演”が視聴者を驚かせ、ネットがザワついた池脇千鶴
《たるんだ頬にメガネ姿》フジドラマで中年女性役を演じる池脇千鶴「生涯ずっと女優でいたい」の怪演
NEWSポストセブン