試合を終えた咲村の頬は、ビンタで赤く腫れ、涙の筋が光っていた。どこからどう見てもボロボロの状態だが、瞳の炎は燃え続けている。インタビュースペースでは、「『マリーゴールド』の顔になり、ゆくゆくは日本のプロレスラー、女子プロレスの顔になる」と野望をぶち上げた。
そこに、同じく同大会でデビューした事務所の後輩・橘渚がやってきた。ふたりは「これから一緒に頑張っていこう」と互いの頑張りを称え合うと、一転してグラドルの表情へ。ともにカメラに向かって笑顔でヒップを突き出し、会見を盛り上げた。その切り替えの早さに驚くと同時に、「これこそが彼女たちの“女子プロレス界での戦い方”なのかもしれない」と不思議な清々しさも感じたのだった。
◇取材・文/原田イチボ(HEW)