鈴を鳴らす意味とは?(写真提供/イメージマート)

鈴を鳴らす意味とは?(写真提供/イメージマート)

新しい自分に生まれ変わって出ていく

「参道の真ん中は神様の通り道といわれているので、なるべくそこは歩かない。どこの神社も参道の両脇に樹々が多いのは、女性の大切な所を守るという意味。手水舎があるのは心身を清めるためだが、子宮までの道はきれいで濡れている方がいいという意味もある」。そんな説も語った元幹部。神社の意味を屋台を出す若い組員に教えていたのか聞くと、「夜店は儲けが一番。そんなことまで教えない」と苦笑いされた。

 参道は端を歩くようにというのは、よく聞く参拝の作法だ。そう説明する参道で露店を出していた元幹部は「作法も祭りの時は例外。初めに一礼するだけ。参道の端っこは夜店が並んで歩けない」という。「行事ごとはヤクザにとって大切なもの。参拝の作法ぐらいは誰でも知っていた。今の若いヤツらはどうだか。参拝も初詣ぐらいだから、きっと知らないな」。

 神前に進み、お賽銭箱の所にある鈴を見て、女の子たちは「鳴らしていいか」と聞いたという。元幹部は頷きながら「鈴を鳴らすのは身を清めるとか穢れを落とすという意味もあるが、鈴は男性の象徴だ。シャンシャンと振って鳴らしてやるんだ」。鈴から垂れていた布を手に、勢いよく鳴らしたていた女の子たちを見て「きっと店にきた客に、鳥居や鈴の意味を知っているかと聞くんだろうな」と幹部は思ったようだ。

 お賽銭をそっと入れ、彼女たちは並んで参拝を済ませた。「参拝することで子宮に戻り、新しい自分に生まれ変わって出ていくというのが”お宮参り”をする意味だ」と説明したところ、女の子たちは神妙な顔で頷いていたという。「若い衆を連れて初詣に行った時も、この話をするとみんな神妙な顔をした」。

 元幹部にその神社に初詣に行くのかと聞くと「いいや」と素っ気ない。「今は近所の神社に行く。初詣ってものは、自分の住む地域の氏神様さまにするのがよいといわれているからな」という。六代目山口組の司忍組長もコロナ禍までは、元日の午前0時頃になると、執行部とともに総本部近くの神戸護国神社に出向き、参拝する姿が報じられていた。

 元幹部に、初詣で参拝すると新しい自分に生まれ変わった気がするのかと聞くと「そんなわけないじゃない。それで生まれ変われるなら何度もでも行くさ。いつまでたってもヤクザはヤクザ、変わらない」と笑った。

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