照ノ富士は復活できるのか
私見と断わりながらも、同時昇進は「豊昇龍が優勝して、琴櫻のレベルの高い準優勝」しかないと言い切った。そして、「希望的な気持ち」としてこう続けた。
「久しぶりに日本の『国技』という言葉が番付できちんと表現される年になると信じている。それは琴櫻と大の里が日本出身力士として東西の綱を張る。これが私の夢です。初場所で琴櫻が優勝して横綱になれば言うことはありません。また、大の里には夏場所から名古屋場所にかけて横綱に昇進してほしい。それが私の理想です」
その一方で、杉山氏は照ノ富士の復活の可能性については、このような表現をした。
「照ノ富士に好成績を残されるということになれば、他の力士はなにをしているのかと言われかねませんよ。それぐらい相撲界は厳しいはずだったんです。サラリーマン根性ではダメなんです。照ノ富士には本当に長い間、しかもあそこ(序二段)まで落ちながらカムバックして、休場明けに優勝をする。“ありがとう”というしか言葉はないが、いつまでも彼に頼っているようではどうにもならない。両膝の故障、おまけに糖尿病と戦いながらよくやってきたと思うが、復活はないだろうと思う」
そう厳しい見方をした。さらに杉山氏は「次の大関は熱海富士」と断言し、上位陣を脅かす力士として若隆景、尊富士、王鵬の名前を挙げた。71年間、年6場所のすべての場所を現場で過ごしてきた相撲界のレジェンドアナの声だけに、説得力は大きく聞こえる。