そうして引退へのレールが敷かれるなか、今場所は照ノ富士がどこまで大関陣の「壁」になれるかが注目されていた。
「照ノ富士は2年で9場所も休場しながら、皆勤した3場所ではすべて優勝している。実力は確かながら、満身創痍の戦いを続けてきた。その照ノ富士が横綱の器と期待するのが大の里です。直近の巡業や稽古総見でも稽古をつけている。
今場所は大の里にとっての壁として立ちはだかり、綱の重みを伝えたいという思いがあったとされます。まさに“最後の大仕事”でした。照ノ富士が終盤の大関陣との対戦まで土俵に立ち続ければ優勝争いは混沌とすると見られていたわけですが、現実には黒星を重ねて途中休場となってしまいました」(前出・若手親方)
休場で現役続行の徳俵に足がかかった照ノ富士は、そのまま引退に追い込まれた。これによって今場所に綱取りの可能性が残る豊昇龍の昇進のハードルは下がるのだろうか。
※週刊ポスト2025年1月31日号