山口組新報には毎年のように阪神・淡路大震災を振り返る企画が掲載されている

山口組新報には毎年のように阪神・淡路大震災を振り返る企画が掲載されている

山口組のボランティア活動が報じられなくなった理由

 一方で、この救援活動が報じられるなか、世間からは「人気取り」「偽善」などという指摘もあった。記事でもそのことに言及しているが、総本部からの命令などはなかったとし、〈その行動は誰から指示されたものでは無く、子分が親分の身を心配し、困っている人の役に立ちたいとの想いであり偽善の心などありはしない〉と主張している。

 実際、阪神・淡路大震災以降、山口組は表立った救援活動は行わなくなった。NEWSポストセブンは2016年の熊本地震で、県内の傘下組織によるボランティア活動について取材を申し込んだが、「見せ物ではない」と断られている。2024年の能登半島地震では県内に傘下組織がなかったが、『山口組新報』で一部の組員がボランティア活動を行なっていたことが判明している。

 野元組長も東日本大震災が発生した際、行きつけの喫茶店のママや常連客から「今こそ山口組の出番だね」と言われたが、活動は密かに行なったのだという。〈純粋な救援活動を人気取りの偽善活動などと言われたく無いからである〉と胸中を明かしている。

「暴力団である以上、厳しい視線が向けられるのは避けられません。それでも、今後、自然災害が起きるたびに山口組は救援活動に赴くのでしょう。そこにはヤクザの原点である“任侠”の『弱きを助け強きを挫く』という考え方があるのかもしれません」(前出・実話誌記者)

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