2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏

フランス凱旋門賞も経験、34年間の騎乗で夏のレースも冬レースも知りつくす蛯名正義氏

 心配なのは飼い葉を食べなくなること。親が子供に言うように「これは栄養があるから食べなさい」と言っても、それこそ馬の耳に念仏ですからね。馬によっては好き嫌いがあるし、季節によって飼い葉の味が違うともいわれています。その馬がおいしいと思う草を選ぶといいのかもしれません。

 人間もお腹がすくとイライラしますよね。馬だって同じ。お気に入りの飼い葉がないと、ぐれて人間の言うことを聞かなくなるかもしれない(笑)。満足に食べられれば精神的にも安定して、「仕方ねえなあ」と思いながらも、しっかり走ってくれるのではないでしょうか。

【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。この連載をベースにした小学館新書『調教師になったトップ・ジョッキー~2500勝騎手がたどりついた「競馬の真実」』が発売中。

※週刊ポスト2025年1月31日号

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