父親が心配する娘の現在
リリーさんの父親であるエリ・アルバグさんは以前、「BBC」のインタビューに応じている。その中で、娘が性被害にあっている可能性にも言及していた。
「ハマス側は否定していますが、大規模攻撃をめぐって、国連の専門家チーム昨年3月、『少なくとも3か所で性暴力が行われたと信じるに足る根拠が見つかった』と発表しています。また、すでに解放された女性の人質のなかには、監禁生活で受けた性暴力について告発する人もいます。
それだけにエリさんも不安にかられているようです。『BBC』の取材では、リリーさんが望まない妊娠をするも中絶が間に合わない状況になっている可能性に言及し、『時間は刻々と過ぎており、それ(妊娠)を止めるには時間的な限界がある』と吐露していました」
ハマスだけでなく、イスラエル側にも国際的な批判が集まっている。民間人を巻き込んだ報復攻撃を繰り返しているからだ。ガザの保健当局によると、死者数は4万6000人を超えるという。さらに現地メディアは、“停戦の合意が発表された後もイスラエル軍の攻撃によって犠牲者が出ている”と報じた。
“停戦が実現したから終わり”の話ではない。現地の人々の心身に残る深い傷が癒える日は来るのか──。