不自然に消された「LINE履歴」
裁判で提示されたのは、瑠奈被告とAさんが札幌市内のクラブで出会った5月27日以降、修被告と浩子被告のLINEの送受信をまとめたものだった。
「そのトーク履歴からは、『今赤レンガ前で葉っぱの前で雨宿り』や、『こちらはタリーズでパスタランチです』など、修被告と浩子被告が日頃からLINEで日常会話をしている様子が見て取れました。一方で、事件に関連すると思われる内容もあり、その一つが“ディスカッション”に関するやり取りです」
今回の公判で、犯行2週間前の6月18日に瑠奈被告が母親を介して、修被告に“ディスカッション”を求めたことが明かされている。さらに翌19日、修被告は瑠奈被告と一緒に量販店でノコギリや手袋などを購入し、この日以降もハイター、キャリーケース、折りたたみナイフなど事件の際に使われた物品を購入していたという。
「事件直前の6月27日と28日、浩子被告が修被告に2日連続で、『今からディスカッションしたいから上に来て』などという内容のLINEを送受信しています。検察官は、この“ディスカッション”がAさん殺害に関連していると主張しています」
また、逮捕後に修被告と浩子被告のスマホからLINEの履歴を抽出したところ、おのおの部分的にトークを削除していることが判明したという。
「修被告が削除していたのは、浩子被告から送信された『エタノール3本買っておきました』『鹿(※注:瑠奈被告によるAさんの呼称。過去の公判で明かされていた)がいるかクラブに短時間潜入捜査するの可能ですか』『(瑠奈被告が)瓶とか氷砂糖とか高濃度アルコールとか売ってるかなとおっしゃっております』などの事件に関連すると見られる内容や、修被告が送信した『(瑠奈被告が)
さらには、浩子被告のスマホから“文字入力履歴”を抽出したところ、『そういえば車のGPS記録残りますか』『鹿がいるかクラブに短時間潜入捜査するのは可能ですか』というトークを消した痕跡や、『鹿』と入力する前に『獲物』と入力したことなどが判明したとのことです」
不自然なLINEの削除履歴はいったい何を意味するのか。近年稀に見る猟奇的なこの事件は、どこまで“計画的”だったのだろうか、真相解明が待たれる。