■島田陽子『KirRoyal』(1992年/竹書房)撮影/遠藤正
1980年版の映画『将軍 SHOGUN』でヒロインを演じた島田陽子のヘアヌード作。資金繰りに困った事務所に頼みこまれて撮った作品だが「さあ私の裸を見てみなさい」という強い目線で読者を射抜き、女優としての格を感じさせる。
■池上季実子『ささやいて愛 淋しくて悲しくて幸せです』(1980年/ワニブックス)撮影/玉川清
気品高く官能的──相反する要素を兼ね備える池上の魅力は当時21歳だった本作でも垣間見える。ビキニやワンピース水着で抜群のプロポーションを披露。今では常識のアンダーショーツをはいておらず体のラインもクッキリ。
■ひし美ゆり子『ひし美ゆり子写真集 All of Anne:2021』(2021年/復刊ドットコム)
ひし美が演じた「ウルトラセブン」アンヌ隊員としての姿のみで構成された写真集で、劇中場面からオフショットまで収録。少年たちを熱くさせたボディラインを際立たせるピチピチのウルトラ警備隊の制服が素晴らしい。
■小島可奈子『39℃』(1998年/メディア・クライス)撮影/渡辺達生
小島は90年代後半の人気グラドル。オールヌードはないが、こたつからあられもなくのぞく尻や布ごしに見える肌が裸以上にセクシーでこれぞグラビアの醍醐味。特に雪原で雪のみで乳首や陰部を隠したカットの遊び心が楽しい。
■川島なお美『WOMAN』(1993年/ワニブックス)撮影/渡辺達生
川島が32歳の時に出したヘアヌード作は年齢以上の妖艶さが漂う。実家で撮られた清楚な日常写真と一糸纏わぬ姿が交互に入れ替わり、女の二面性を写し出した中盤は必見。本作のヒットで川島は大人の女優へと脱皮した。
■大場久美子『大場久美子写真集 映画ファン特別編集 臨時増刊号』(1980年/愛宕書房)撮影/池谷朗
大場のアイドルとしての全盛期に撮られた写真集。水着姿もたっぷりで、華奢な体には今のアイドルにはない奥ゆかしさも感じる。手ブラからこぼれた白いバストと日焼けした肌のコントラストが艶かしく、後のヌード作品より刺激的。
■斉藤慶子『ひとり胸さわぎ この愛つかまえて』(1983年/ワニブックス)
熊本大学出身の才媛は在学中に「JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれグラビアデビュー。少し垢抜けない表情とお腹周りの油断が古き良きグラビアを感じさせる。還暦を迎えた2021年には30年ぶりとなるビキニも披露。
【プロフィール】
徳重龍徳(とくしげ・たつのり)/ライター、グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。現在はフリーライターとして雑誌、ウェブで記事を執筆。1980年代から現在までに発売された写真集108タイトルを一挙紹介する、徳重氏と写真集ガイド制作委員会による著書『一度は見たい!アイドル&グラビア名作写真集ガイド』(玄光社)は1月24日発売。
※週刊ポスト2025年1月31日号