中国政府は正確な情報を発信しているのか?
さらに上氏は、中国でのhMPVの大流行に違和感を覚えるとして、こう指摘する。
「本来hMPVは、現在の中国ほど大流行するウイルスではありませんし、従来のように症状が咳や鼻水レベルならば大騒ぎする必要はないはずです。ですが、SNSなどで中国の医療現場の混乱ぶりを見ると、重症化した患者が出ているのではないかと感じてしまいます。単なるhMPVとは異なる可能性を視野に入れなければいけません。中国政府は変異の可能性などを踏まえ、いろいろと調べていると思うので、結果次第では速やかに全世界に向けて情報をオープンにしてほしい」
アメリカのCDC(疫病管理予防センター)は1月6日、中国でhMPV症例が増加しているとの報道に、「国際社会のパートナーと定期的に連絡を取り合い、監視をコントロールしていきたい」と述べ、中国の発表をうのみにするだけでなく、国家間で情報を共有することの重要性を訴えた。
中国当局は2019年12月に武漢市で最初の新型コロナウイルスの感染者が出た際、情報統制を続けて世界中から非難の目を向けられた。
「中国政府が正確な情報を隠している可能性は捨てきれません。感染力があまりに強く、hMPVが変異した新型ウイルスの可能性もある。現状は、最も警戒すべき最凶のウイルスだとして、これからの季節、感染症対策を万全にすべきです」(前出・中国在住のジャーナリスト)
1月21日現在、中国政府はhMPV感染者数を公表していない。
※女性セブン2025年2月6日号