本誌『女性セブン』のスクープから1か月、中居正広(52才)は芸能界からの引退を発表した。深刻女性トラブルは個人の枠を超え、大メディアの存亡にかかわる社会問題となった。フジテレビの港浩一社長は1月17日の会見で社員の関与を否定したが、キーマンとなるA氏と中居はなぜこれほど近しい関係を築いたのか。【前後編の前編】
都心の一等地にそびえ立つ高級マンションの一室。中居正広が住むこの部屋のリビングのテレビ台の脇には、彼が後生大事にしている2つの小さな器が並べて置かれているという。
ひとつは2015年にがんで亡くなった父・正志さんの骨壺。そして、もうひとつは2019年7月に他界したジャニー喜多川氏(享年87)の骨の欠片が入ったガラスの瓶だ。生前、ジャニー氏を誰よりも慕っていた中居は、2020年2月に旧ジャニーズ事務所を退所した際の会見で氏への思いをこう語っていた。
「ぼくらの世代にとっては怖い存在の人。人間的にもショーのこともいろいろ教えてもらいました」
そして、ポケットから取り出した小瓶を指でつまむと、報道陣に見せながらこう続けたのだ。
「ぼく(お別れ会に)行けなかったので、滝沢(秀明)くんに骨をかっぱらってくれと。本当はもう少し大きいやつに入ってたんだけど、小さい器を買って(遺骨の)一片が入ってます。ジャニーさん、力をくれ!」
一昨年、所属タレントへの性加害疑惑が社会問題に発展し、いまでこそジャニー氏の名前を出すことさえはばかられるが、中居にとってはSMAPを国民的スターに育てた芸能界の父。トークの才能を見出し、MCの道に導いた恩人でもあった。
「中居さんは、10代の頃にも深刻な女性トラブルを起こし、いつ解雇されてもおかしくないという状況に追い詰められたことがありました。あのとき、ジャニー氏や事務所のスタッフが身を挺して中居さんを守り、トラブルが解決できなかったら、その後の彼の成功はなかったはず。
その最大の庇護者だったジャニー氏が亡くなり、旧ジャニーズ事務所を退所したいまの中居さんには、頼れる人が誰もいない。独立後、中居さんを長年支えていたジャニーズ時代からのマネジャーも今回の女性トラブルの後に彼の元を去ったといいます」(芸能関係者)