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《早くも話題に》バカリズムこだわりの「助演女優×雑談」で再ヒットを狙うドラマ『ホットスポット』

バカリズムが脚本を手がける冬ドラマ『ホットスポット』(番組公式HPより)

バカリズムが脚本を手がける冬ドラマ『ホットスポット』(番組公式HPより)

 2025年1月期の冬ドラマの放送が始まっているが、中でも注目作はバカリズムが脚本を手がける『ホットスポット』だ。その見どころを探っていくと、いくつかのキーワードが見えてきた。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

* * *

 バカリズムさんが脚本を手がけるドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系、日曜22時30分~)の第1話のTVer再生数が早々に300万回を超えたほか、SNSも好意的な声が目立つなど、上々のスタートを切りました。

 同作のコンセプトは、「富士山麓のとある町には、地球外生命体が潜んでいた! ビジネスホテルで働くシングルマザー・遠藤清美41歳。ある日、彼女はひょんなことから宇宙人と遭遇し…!?小さな田舎町で不思議な出来事が起こったり起こらなかったりする、脚本バカリズム 地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー!」。もし宇宙人が日常生活の中に潜んでいたら…というファンタジーをベースに田舎町の人間模様を描いた作品です。

 ある日、仕事帰りの主人公・清美(市川実日子)は交通事故に遭いそうになるが、間一髪のところで職場の先輩・高橋(角田晃広)に命を救われた。しかし、清美を助けた高橋の人間離れしたスピードと腕力は「宇宙人だから」であり、それを知った清美の日常が変わりはじめていく。

 ファンタジーの設定は主人公・近藤麻美(安藤サクラ)がタイムリープを繰り返した『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)と似ていますし、同作のようなバカリズムさんらしい脱力した世界観は好発進できた理由の1つでしょう。

『ブラッシュアップライフ』との共通点

 さらに「東京ドラマアウォード2023」「ATP賞テレビグランプリ」など多くの受賞歴を誇る『ブラッシュアップライフ』と似ているのは、中堅女優をそろえて雑談のような会話劇で視聴者を引きつけていること。

『ブラッシュアップライフ』では、安藤サクラさん、夏帆さん、木南晴夏さん、水川あさみさんの会話で引きつけつつ、市川由衣さん、野呂佳代さん、臼田あさ美さん、山田真歩さんらも出演しました。一方、『ホットスポット』でも、市川実日子さん、鈴木杏さん、平岩紙さん、夏帆さん、坂井真紀さんらが出演して力の抜けた会話劇で楽しませていますし、今後も木南晴夏さん、菊地凛子さんらの出演が予定されています。

 さらに今作を見ていて気づかされるのは、前作以上に会話劇の要素が濃く、より力の抜けた雑談のようなシーンを前面に出していること。第2話の序盤でも美波が「地元にテレビ撮影が来てインタビューを受けた」という話題が延々と続くシーンがありました。

 そこから「『富士山は静岡と山梨どっちのものだと思いますか?』って」「出た!」「まだそんなネタやってんの?」「古いよね。てかどっちでもいい」「何て答えたんですか?」「絶対、山梨のものでしょ」「そこまで思ってないでしょ」「でもそれじゃ使われないじゃん」「制作の意図を汲んだんだ」「そしたらさ、でも人口は静岡のほうが多いですけど、ってちょっとあおってくんの」「うざいでしょ。対立構図作りたくて必死なの」などと流れるような会話の連続。

 その後、「でもさ、40すぎると記憶力落ちない?」「別に落ちてないし」「絶対みえはってんじゃん」「変わってないよ。ホント変わってないよ」「記憶力落ちたこと事態忘れてんじゃない?」などと話が変わったあと、最後に清美の「ちなみに実はこれとほぼ同じ会話を半年前にしたことをたぶん2人は忘れている」という心の声で締めくくられました。

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