フジテレビアナウンス室の元部長・露木茂氏は古巣の状況に嘆息する。
「中居さんのトラブルの話はまるで別の会社のよう。私がいた頃は(女性アナが被害に遭うようなことは)あるわけがなかった。フジはどこでどう変わってしまったのか」
企業としても厳しい状況に立たされている。会見以降、ほとんどのスポンサーがCM放映を見合わせる事態となった。別のフジ社員が言う。
「広告代理店に契約のキャンセル希望が殺到しています。極めて異例の事態で、2月以降が危ない。1社提供番組はCMだけでなく『番組が流せない』事態にも直面している」
元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士が語る。
「ACジャパンに差し替えても企業がテレビ局に払ったお金が戻るわけではありません。ですが、契約が切り替わる時期、例えば4月以降は危ない。フジテレビがよほどドラスティックに生まれ変わり、社会全体が納得しない限り、今後も出稿する企業は出てこないでしょう。説明責任を果たさなければ、放送法に守られた企業としての背信行為であり、企業として存続の危機となります」
関係者の証言で浮かび上がる港社長自身の問題、そしてフジテレビの経営危機は深刻だ。
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※週刊ポスト2025年2月7日号