上皇さまのライフワークであるハゼの研究のために、1月20日午前、上皇ご夫妻は皇居を訪問された。91才の上皇さまはいまでも週3回、研究を続けられている。今回のように、時には美智子さまも同行され、おふたりで進捗についてお話しされることもあるという。
そうした穏やかな日々を送られる上皇ご夫妻のスケジュール管理や、日常生活のお世話などを行い、「秘書」のような役目を果たすのが、上皇侍従や上皇女官といった宮内庁の側近職員たちだ。
「日々おそばでお仕えする上皇侍従や上皇女官は、上皇ご夫妻と私的なお話をしたり、相談相手になることもあります。上皇さまが退位されてから6年ほどが経過し、上皇ご夫妻がお出ましされる機会は激減しましたが、重要な職務のひとつです」(皇室記者)
その上皇侍従のひとりが、1月10日付で入れ替わった。新たに着任したのは、警察庁出身の倉前嘉孝氏だ。
「過去にはサイバー犯罪の捜査を行う部署で働いていたことがあります。サイバー犯罪捜査官の職務には、インターネットを使って不正にデータを盗んだり改ざんしたりするサイバー攻撃の取り締まりのほか、SNS上での殺害予告や誹謗中傷といった悪質な書き込みを行う人物の捜査などが含まれます。
宮内庁は昨年4月にインスタグラムを開設し、日本の皇室にもSNS時代が到来しましたから、このタイミングでの招聘はSNSの分野にも無関係ではないでしょう」(前出・皇室記者)
そもそも宮内庁がSNSの運用を検討し始めた発端は、眞子さんの結婚を巡る騒動にあるとされる。
「SNSを含むインターネット上には、眞子さんの結婚に対する批判や誹謗中傷があふれました。宮内庁は情報発信力の弱さを痛感し、正しい情報を適宜発信すべく、SNSアカウントの開設に舵を切ったといいます。
当時眞子さんが抱えた苦しみを、美智子さまは『家族全体の苦しみ』と表現されていました。また、美智子さまご自身も2023年頃、インターネット上で根も葉もない情報が飛び交い、激しいバッシングの対象とされたことがありました。
美智子さまは電子媒体に明るいわけではありませんが、ご自身について知らない間に、さまざまに書き込まれていたことに大きなショックを受けられ、誹謗中傷を許さないという思いを持たれていると聞いています」(宮内庁関係者)
宮内庁は、インスタグラムによる広報をより充実させるべく、2025年度予算に2024年度の10倍以上となる2700万円余りを計上した。
「露出が増え、多くの人の目に触れるようになればなるほど、寄せられる声は玉石混淆となります。そうなったとき、サイバー犯罪に明るい人が宮内庁内にいるということは、誹謗中傷に悩まれる皇族方の安心材料になる。美智子さまが感じていらっしゃる不安も和らぐのではないでしょうか」(前出・皇室記者)
美智子さまの穏やかな日々が守られるようにと、ベストが尽くされている。
※女性セブン2025年2月6日号