非常戒厳の発令をめぐり、内乱罪の容疑で逮捕された韓国の尹錫悦大統領(64)。尹氏を徹底追及してきた野党・共に民主党は早くも次のターゲットに狙いを定めているという。
「かつて“美人すぎる大統領夫人”と話題になったこともある、尹氏の妻・金建希夫人(52)です。共に民主党は、金夫人の強制捜査を実現させる方針です」(在韓ジャーナリスト)
尹氏の非常戒厳発令の一因は、金夫人にあったとされてきた。朝鮮半島情勢に精通するコリア・レポート編集長の辺真一氏が語る。
「金夫人には高級ブランドバッグの収賄疑惑や輸入車ディーラー会社の株価操作疑惑など数多の疑惑が噴出しています。これに対して、政府から独立した捜査機関に金夫人を捜査させる『特別検察法案』が野党から提出され、尹氏が3度にわたり拒否権を行使して不成立となった経緯がある。非常戒厳の発令は、この特別検察法案の採決を阻止する目的もあったと言われています」
しかし尹氏が逮捕されたいま、金夫人を守る者はいない。共に民主党が特別検察法案を再び提出すれば、可決される可能性があるのだ。
「金夫人も捜査されることになるでしょう。韓国では経済犯の罪が重く、懲役10年以上の実刑になる可能性もある」(前出・在韓ジャーナリスト)
かつて大統領夫人として贅の限りをつくしたフィリピンのイメルダ夫人になぞらえて、金夫人を「キム・イメルダ」と揶揄する声もあったが、夫の逮捕で状況は一変。韓国の全国紙・中央日報によれば、現在の金夫人は周囲が心配するほど憔悴しきっており、食事もとれず、やつれて白髪が増えたという。前出の在韓ジャーナリストが語る。
「現地記者の間ではいま、金夫人が国外に逃亡するのではないか、と噂されています。具体的な渡航先として中国と米国の名前も挙がっている」
塀の中か、異国の地か。金夫人もまた窮地に追いやられている。
※週刊ポスト2025年2月7日号