1月20日にアメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ氏。式典が行われたワシントンDCでは、支持者たちの熱狂が渦巻いていた。ジャーナリストの小川寛大氏がリポートする。
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「見て、私はトランプが大好きなのよ」
そう言うと、キャシーさんという女性は厳重に着込んでいたコートの前をバッと開いた。すると、1月20日にアメリカ大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏が、暴走自動車を駆るイラストの描かれたTシャツが現われた。
「トランプのいいところは、何でも一番を目指すところね。偉大なアメリカを取り戻してほしいわ」(同前)
1月20日の就任式当日、ワシントンDCには記録的な寒波が襲来。式典は連邦議会議事堂前の屋外で行なわれることが恒例だが、急遽40年ぶりに屋内での開催に変更された。
だが、そんな異例尽くめの“嵐”など意にも介さず、全米から集まったトランプ大統領の支持者たちは喜びを爆発させていた。
「トランプは、日本のイエヤス・トクガワ(徳川家康)のような人物だと思うんだよ」
ワシントンDCで出会ったグラントさんと名乗る男性は、冗談ともつかぬ口調で「ストロング・ピース(力による平和)を達成する人間だから」と語った。全米でヒットした真田広之主演のドラマ『SHOGUN 将軍』が念頭にあるのだろうか。