この説明に、フジテレビのバラエティ現場関係者は首を傾げる。
「港前社長が説明した時系列は概ね正しいでしょうが、その過程を把握していた者はバラエティ制作局に1人もおらず、完全に上層部のみで共有されていた情報でした。会見の中で『被害女性の心身に刺激を与えないため番組を継続した』と説明がありましたが、性加害を把握していたらすぐに番組終了に動き出していたのに、というのが現場の本音です」
また、2023年8月にトラブルを把握してから2024年12月の報道が出るまでの約1年半、コンプライアンス推進室と事態の共有や連携をしていなかったことも明かされた。これについて港前社長は、「本人のプライバシー保護を最優先に、なるべく少人数で職場復帰できるまで寄り添うことが最善だと信じてきた」と説明。
「記者会見の中でも指摘がありましたが、2024年夏までに何度かあった改編期に打ち切りを提案することは、一般の視聴者や社内の人間さえも不自然に思わなかったでしょう。私も報道があるまで、トラブルがあったことは一切知りませんでした。
質疑応答では何度も『被害女性を最優先にしてきた』という文言が繰り返されていましたが、あの対応では被害女性に寄り添ったとはいえませんよね……」(同前)
港前社長は1月10日、「フジテレビは社員を守る温かい会社でありたい」という内容のメールをフジテレビの全社員に送信している。中居の出演番組を継続したことは、被害女性や真摯に働く社員を“守る”ことには繋がらなかった──。