83歳を迎えた司組長が会場入り
16時30分頃、「あと10分で到着です」の声が響くと現場に緊張が走る。シャッターが上がると高山若頭をはじめとしたスーツ姿の最高幹部、直参組長がズラリと姿を現す。ここで注目を集めていたのが山健組の中田浩司組長だった。中田組長は2019年に起きた銃撃事件で殺人未遂などの罪に問われていたが、昨年10月に神戸地裁が無罪判決を下したことで話題を呼んだ人物でもある。
「誕生日会の前日24日に、組織内で人事が行なわれ、中田組長が若頭補佐に昇格したという情報が流れた。直参組長は“プラチナ”と言われる山口組の代紋バッジをつけているが、執行部入りすると代紋バッジにチェーンがつく。実際、中田組長の胸元にはチェーンつきの代紋バッジが確認されたので、執行部入りしたと見ていいだろう」(警察関係者)
16時39分頃、 司組長を乗せた高級セダンが到着。その前後には前後に護衛の車を従えていた。若頭補佐の竹内照明・弘道会会長がドアを開けると、直参組長らは一斉に「お疲れ様です」の声を出して司組長を出迎えた。この日の司組長の服装は灰色の着物姿で、警察、メディアが一斉にシャッターを切る。
白い足袋に下駄を履いた司組長は意にも介さない様子で、軽い足取りで会場入りしたのだった。
(後編に続く)
■撮影:浅沼敦