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引退した照ノ富士と伊勢ヶ濱部屋の複雑な事情「両国に土地を確保し、部屋の継承後は新ビル建設」の構想も

親方としての第一歩を踏み出した(写真・時事通信フォト)

親方としての第一歩を踏み出した(写真・時事通信フォト)

 初場所中に引退した元横綱・照ノ富士が1月30日に両国国技館の年寄総会に出席し、親方としての“初出勤”が注目を集めた。“大甘”と批判の声もあがる豊昇龍の横綱昇進だが、その背景にはひとり横綱の照ノ富士の引退があり、複雑な事情が絡んでいた。

 照ノ富士は初日に若隆景に敗れ、4日目に翔猿へ金星を配給すると、翌日には早々と引退を表明してしまった。相撲担当記者が言う。

「初日に本場所総見を行なった横綱審議委員会の山内昌之委員長も“仮に休場しても引退勧告の決議は考えていない”としており、進退を懸けた場所にならないとみられていた。4日目の取組後に照ノ富士が休場の意向であることを聞いた八角理事長(元横綱・北勝海)は、“次に出てくる時は勝負の時だ”と今場所での引退に否定的な発言をしています。

 昨年9月場所で引退した元大関の貴景勝は初日から連敗して3日目から休場したが、関脇・大の里の大関昇進を見届けるかたちで13日目に引退を表明した。相撲協会としては今回も、せめて横綱昇進の目途がつく後半戦まで引退表明を待ってもらいたい意向があった。

 しかし、2022年に弟子の暴力事件が発覚した際に協会理事を解任されるなど相撲協会に冷や飯を食わされている師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が、協会の事情はお構いなしに自身の定年(7月)から逆算して照ノ富士を引退に導いた格好です」

 横綱へのダブル昇進もあるといわれた初場所だったが、九州場所優勝の琴櫻は2日目から黒星を重ねて早々に脱落し、もうひとりの豊昇龍も照ノ富士が引退を表明した5日目に土がつき、さらに中日と9日目に連敗を喫して3敗に後退してしまった。若手親方が言う。

「場所前は『12勝での優勝は見送り』とされていた。直近3場所の豊昇龍の成績は8勝、13勝、そして初場所が12勝。合計33勝は平成以降の横綱昇進では最低の成績となる。千秋楽の本割で勝ち、巴戦で2番連続で勝ったこともプラス評価されたとはいえ、照ノ富士が引退していなければ“もうひと場所見たほうがいい”として、大甘昇進にはならなかったのではないか」

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