その背景について被告は、裁判所に提出した申立書で「ギャンブル依存症という病気だった」と主張。大谷の過密なスケジュールに同行する仕事を続けるうちに、ストレスで賭博に手を出してしまい、抜け出せなくなったとしている。
しかし井川は、被告の行ないに対し「病気だからと言って許される話でもないでしょう」と喝破するのだった——後編では、井川がギャンブラーの先輩として水原被告に送ったエール、計画する「YouTube対談」について詳報する。
(後編につづく)
【プロフィール】
水谷竹秀(みずたに・たけひで)/ノンフィクションライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒。2011年、「日本を捨てた男たち」で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。最新刊は『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書)。10年超のフィリピン滞在歴をもとに「アジアと日本人」について、また事件を含めた現代の世相に関しても幅広く取材。2022年3月下旬から2か月弱、ウクライナに滞在していた。