「最も手をつけちゃいけないカネに手を出してからが本当のギャンブル」と語る井川氏
「ギャンブルをやるのに、仕事のストレスは関係ない」
世界保健機関(WHO)は、ギャンブル依存症について「病的賭博」という表現で正式な病気と認定している。米国の精神医学会が定める診断基準でも「ギャンブル障害」と分類されている。国際的にもギャンブル依存症は「病気」と位置付けられているのだが、アルコールや薬物と比較すると社会的な理解はまだ得られていないだろう。
井川自身は、ギャンブル依存症という用語にそもそも違和感を覚えており、「病気」とカテゴライズする考え方にも異を唱えている。それゆえギャンブルにハマって大金を失うのは、自身も含めて「自己責任だ」と言い切るのである。
「私は結果的に他人に迷惑もかけて申し訳ない気持ちがあるので、偉そうなことを言える立場ではありません。ですが、基本的に自分の行動は自分の責任だと思っている人間です。私の友人で、『精神科は何でも病気にする』と呆れている医師もいます」
水原被告は昨年3月の騒動発覚直後、ドジャースのチームメートを前にギャンブル依存症であることを告白した。今年1月に米連邦地裁に提出した申立書でも同様の主張をしている。その理由として水原被告は、大谷選手の通訳としてだけでなく、身の回りの世話もこなし、24時間体制で対応に当たっていたという過酷な労働環境を挙げた。さらに妻がグリーンカードを所持していないためにアメリカと日本を行き来せざるを得ず、その渡航費を負担するなど経済的に厳しい状態にあった。
そんな最中に出会ってしまった胴元が運営するスポーツ賭博に手を出し、借金が雪だるま式に膨らんでしまったというのだ。
「翔平のお金を使う以外に(胴元に)支払う方法が見つけられなかった。私は当時、恐ろしいほどの依存状態に陥っており、ギャンブルをやっている時だけ人生に希望を見出せた」(水原被告の申立書より)
このような言い分に対し、井川はずばり言う。
「ギャンブルをやるのに、仕事のストレスとかは関係ないです。それは私も含めてですが、弁解の余地なしです。好きなやつは好きなんですから。『ギャンブル依存症という病気』と捉えるのは勝手ですけれども、結局そんなものは自分がギャンブル好きだからっていうだけの話です。病気だからと言って許される話でもありません。やっぱり庇う点はないですよね。大谷さんのお金ですから」