相手との”認識”の違いはよくある話だが…(イメージ)
外国人と日本人の間で起こりがちな“認識違い”
我が社でもよく起こる事例を紹介しよう。
日本人のマネージャーが仕事の依頼をする際に、契約に必要な書類を何日までに回収してください、と外国人社員に指示する。
期日が来て「書類は?」と聞くと、回収できていない。「どうして回収していないの?」と聞くと、「いや、書類を送るようにメールを出しました」と言う。メールを送ったのに書類を送ってこない相手が悪いでしょ、というのだ。
マネージャーは「書類を回収して」と指示したのであって、「メールを送って」と指示したのではないのだが、それでも外国人社員は「言われたことはやった」という認識なのだ。
読んでいるだけでイライラしてくる人もいるだろう。実際、我々もイライラはする。だが、こんな問答は毎日のように行われていると思ってもらっていい。
こうした感覚の違いは、おそらく幼少期から培われたものだ。根本的には埋まらないものなのだろう。
なおかつ、国籍を問わず、外国人材全般に感じる特徴である、ということは、すぐに自分の非を認めてしまう私たち日本人の感覚のほうが特殊で、「メールを送った、言われたことはやった」みたいな考え方のほうがグローバルスタンダードということもありうる。
(第4回に続く)
『日本人が知らない 外国人労働者のひみつ』(白夜書房)