いまの課題はパッティングか(時事通信フォト)
開幕早々、明暗分かれる結果となった。米女子ゴルフツアーの今季第2戦「ファウンダーズカップ」が開催された。日本人は12人が出場し、9人が予選を通過。最高位は今季から本格的に米ツアーに挑戦する山下美夢有(23)で4位だった。一方、決勝に進んだ選手のなかで最下位(67位)に沈んだのがシブコこと渋野日向子(26)だ。
「ショットやアプローチも精彩を欠いたが、課題が浮き彫りになったのがパッティングです。飛距離は米国でも戦えるレベルですが、最終日は3パットこそなかったものの合計34パット。もちろんグリーンの難易度は違いますが、1ホール平均で2パット弱というのはアマチュアのような数字です」(ゴルフ誌担当記者)
渋野は今季からプロデビュー時以来の付き合いである「ピン」とのクラブ契約を解消。「契約フリー」となり、セッティングを一新して臨んでいる。それでもパターだけはピンを使い続けているが、以前のようなプレーができていない。
「渋野は難しい距離感を強気にバチっと打ち込んでカップインさせ、バーディーを取っていくのがウリでした。最近はそうしたプレーが影を潜めている」(同前)
シブコと言えば2019年に全英女子オープンを制した際に、18番ホールでロングパットを沈めたシーンを思い浮かべる人も多いだろう。グリーン上での姿はなぜ変わってしまったのか。プロゴルファーの沼沢聖一氏が言う。
「打ち方が悪い、芝が読めていないといった問題もあるが、やはり一番大きな問題は気持ちでしょう。壁に当てて入れるような強いパットが打てるのは、自分でラインを決めていくことができるという気持ちの強さです。今の渋野はそこが揺らいでいるように見えます」
この状況が続くとさらなる懸念も出てくる。
「心の問題といえば簡単ですが、これが続くと、問題なくできていたことが心理的な影響でできなくなる『イップス』に繋がりかねない。パットでイップスになるゴルファーは多いですから。まずは原点に戻って、決めにいきやすい5メートル以内のパットを思い切って打つしかないでしょう」
まだシーズンは始まったばかり。やっぱり、強気なシブコが見たい!
※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号