フランス凱旋門賞も経験、34年間の騎乗で夏のレースも冬レースも知りつくす蛯名正義氏
近年ダート路線が整備されてきたので、ダート血統の種牡馬も注目されるようになったし、方向性の「区分け」はするようになりました。ナダルやシニスターミニスターなら、ダートで出世してもらいたいということでしょう。手を挙げれば行けるという訳ではありませんが、今週行なわれる1着1000万ドルという世界最高賞金のサウジカップを目指すというのも夢があります。
情報公開の時代らしく、最近はダートコースの砂の産地が公表されるようになりました。JRAの競馬場でベースになっているのは青森産の砂ですが、近年産出量が減ってきたため、福島や新潟、中京などでは地元産の砂を、京都や阪神、小倉ではオーストラリア産の砂が補充されているそうです。レースではけっこう砂が口や耳から入ってきます。30年ほどのジョッキー生活でしたから、僕の体内には行ったこともない土地の砂が入ってきているはずです(笑)。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。この連載をベースにした小学館新書『調教師になったトップ・ジョッキー 2500勝騎手がたどりついた「競馬の真実」』が発売中。
※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号