松の井(久保田紗友)/大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合日曜夜8時放送中)より
真実の愛は「間夫」にあり?
そんな苛烈な世界を生きる女郎たちの心の支えのひとつが「間夫」だった。間夫とは女郎が本当に好きになった情夫のこと。間夫には吉原に出入りする商家の若い奉公人が多かったという。
「新造や禿に協力してもらい、こっそり間夫を自分専用の部屋に忍び込ませたり、自分が揚代を払って間夫を客として呼んだりしていました」
間夫は女郎屋に金を落とさないため、存在が主人に知られれば女郎は折檻され、女郎と間夫が心中する事件も多発した。
ドラマではうつせみ(小野花梨)が平賀源内(安田顕)と行動を共にする浪人・小田新之助(井之脇海)と相思相愛の関係だが、行く末に想像が膨らむ。
「べらぼう」な女郎たちの今後の展開に注目だ。
取材・文/鈴木洋史
※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号