視聴率が良い時は20%以上を記録した
『世界ふしぎ発見!』が38年も続いたワケ
『世界ふしぎ発見!』の視聴率は、第1回5.7%、第2回は7%と好調な滑り出しでした。ところが、インドネシアのボロブドゥール遺跡をとりあげた第3回はゴールデンウィークと重なり、3.6%に下がってしまいました。そうしたら、番組内から「ダメになっていくパターンだ」「打開策を!」と騒ぐ声が上がりました。そのとき、スポンサーの日立の宣伝部長が「何を騒いでいるのか。初心のままやっていこう」と話してくださいました。
その賢明な一言でみんなの気持ちがおさまり、おかげで放送3カ月目に入ったところで、視聴率が2桁にのりました。いいときは視聴率は20%以上を記録しました。
『世界ふしぎ発見!』が38年と長く続いたのは、この初心を忘れず、ブレずに続けたからこそだと思いますね。初心というのは、歴史をみんなで楽しむ、ということ。楽しい問題に意外な答え。この基本を守ったのがよかったのだと思います。
当時、『なるほど!ザ・ワールド』(フジテレビ系)というクイズの先輩番組がありました。スタートから視聴率2桁で絶好調。ついには30%を超えました。しかし、しばらくすると27、25、22%……と落ちてきました。落ちたといってもすごい数字なのに、“下り坂”という感覚になるんですね。それで『なるほど!ザ・ワールド』はコンセプトを変え、いろいろ工夫を試みましたが、結局うまくいかず番組は15年で終わりました。それが、私にはとても参考になりました。