ライフ

《ヤクザの老後》高齢化が進む暴力団 幹部が語る「引退して一般人になり、働けなくなったら生活保護に頼るしかない」現実

年末恒例行事の餅つきに参加した特定抗争指定暴力団山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(中央)ら。2024年12月28日、愛知県瀬戸市(時事通信フォト)

年末恒例行事の餅つきに参加した特定抗争指定暴力団山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(中央)ら。2024年12月28日、愛知県瀬戸市(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザの老後について。

 * * *
 今年も六代目山口組では司忍組長の誕生日会が傘下組織の事務所で開催された。83歳にもなる司組長だが、”分裂抗争が終わるまで組長の引退はない”といわれている。それどころか二次団体の組長たちでさえ、引退できない状況らしい。「司の親分が引退しないのに、直参の組長が先に引退できるわけがない」と、関東を拠点に活動する暴力団の幹部O氏はいう。

 六代目山口組では2023年11月、2つの組織で代替わりが行われた。その2つの組では、跡目を継承した新組長が直参となって組を継ぎ、先代組長も直参のまま総裁として六代目山口組の名簿に載っている。先代組長のところに若頭や本部長の名前はなく、載っているのは総裁1人だけだ。「跡目を譲っても当代(先代の組長)は引退できない。総裁という肩書があっても、何が総裁なんだか。年寄ばかりが増えていく」いうO氏は、ここでまさかの引退を口にした「オレは今年中に引退しようと思う」。

 O氏もシニアの年齢になり、自分の先行きを案じ始めたらしい。「この先、年を取れば身体もあちこちガタがくる。司組長みたいに80歳超えて現役なんて到底ムリだ。このままだと病気になっても、保険がないので病院にもいけない」。

 暴対法や暴排条例で、家を自分で借りられず、他人の家に居候状態。家がなければ住民票を登録できず、住民票がないので国民健康保険にも入れない。病気になれば自費診療しかないが、金がなければ診察も受けられない。「昔住んでいた住所の住民登録は、おそらく抹消されている。もし何かで捕まれば、住所不定無職か暴力団組員とテロップが流れるだろう」というO氏は、「オレもそろそろ潮時だ。ヤクザでいることに不自由が多すぎる」。

 二次団体でも組長以外の幹部が引退するのは二次団体の組長次第、傘下の傘下のまた傘下の組長が引退するのも上部団体の組長次第。「要は誰から盃をもらったかで、その親(組長)が引退を許すかどうか」(O氏)ということらしい。O氏の場合も、自分の親が許してくれれば引退できるのだという。傘下組織の組長や幹部が引退を考えるのは、多くが病気になったり、健康不安を抱えた時だという。「若いヤツならカタギになって、違う道を進むという選択肢もあるが、この年までヤクザをやってきたのに、今更別の道なんてない。できるところまでヤクザをやって、身体が壊れれば終わりにする」。

関連記事

トピックス

『ニュースセンター9時』の司会を務めた草野仁さん(1981年)
《視聴率20%越えワイドショーの司会務めた草野仁》サリン事件を徹底追及も「今の情報番組は視聴者の知りたいことに切り込んでいない」明かしたテレビ業界が弱くなった原因
NEWSポストセブン
年末恒例行事の餅つきに参加した特定抗争指定暴力団山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(中央)ら。2024年12月28日、愛知県瀬戸市(時事通信フォト)
《ヤクザの老後》高齢化が進む暴力団 幹部が語る「引退して一般人になり、働けなくなったら生活保護に頼るしかない」現実
NEWSポストセブン
長年、番組を支えた(左から板東英二(82才)、草野、黒柳)
《板東英二さんとまたお会いしたい》草野仁が明かした『世界ふしぎ発見!』の舞台裏、黒柳徹子の正解率が高い理由「答えを教えられているんじゃないか」と激怒して降板する出演者も
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《世界最大の出産ライブ配信》「1000人以上の男性と関係を持った」金髪美人インフルエンサー(25)に「子どもがかわいそう」と批判殺到
NEWSポストセブン
悠仁さま、筑波大学ご通学問題に“二刀流プラン”が浮上 「赤坂御用地から車で通学」と「大学近くの一軒家でひとり暮らし」を併用か
悠仁さま、筑波大学ご通学問題に“二刀流プラン”が浮上 「赤坂御用地から車で通学」と「大学近くの一軒家でひとり暮らし」を併用か
女性セブン
藤澤五月(時事通信フォト)
《負ければ終わりのロコ・ソラーレ》藤澤五月(33)、五輪への想い繋いだ「毎試合後の居残り1人リンク練習」挑む有終の美の覚悟
NEWSポストセブン
元花魁で老舗女郎屋「松葉屋」の女将・いね役を演じる水野美紀(左)/大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合日曜夜8時放送中)より
【大河ドラマ『べらぼう』撮影秘話】女将いね役・水野美紀が語る演技のこだわり「眉毛なしは特殊メイク30分」「おでこを動かして目で感情を表現」
週刊ポスト
昨年末に妊娠を公表して以来、初めての公の場に現れた真美子夫人
大谷翔平の妻・真美子さん、注目を集める“ファストファッション中心のスタイリング”の金銭感覚 ハイブランドで着飾る「奥さま会」に流されない“自分らしさ”
女性セブン
「令和ロマン」高比良くるま
《令和ロマン・高比良くるま》不倫交際のお相手・既婚女性に「ティファニーのペアリング」を渡すも突然の“ポイ捨て” 直撃取材に「すみません…すみません…」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告と父・修被告
田村瑠奈被告の父・修被告に懲役10年求刑、検察官の主張は「浩子被告が就寝するのは極めて不自然」「自宅に遺体があるのはデメリット」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
自伝本を発売した小室佳代さん(2017年9月)
小室佳代さん自伝本で際立つ“雅子さまとのシンクロ” 「損失」「人格否定」「命のスープ」…皇室を匂わせる表現が複数登場、元婚約者や金銭トラブルについては黙殺
女性セブン
不倫にどっぷりハマっていた「令和ロマン」高比良くるま
《スクープ全真相》令和ロマン・高比良くるま「M-1連覇」の影で既婚女性と1年不倫「A子さんに慰めてもらっていた」証言も
NEWSポストセブン