サントリー「トリス」の新CMに出演する永野芽郁(公式HPより)

サントリー「トリス」の新CMに出演する永野芽郁(公式HPより)

飲酒エピソードを語る女優の真意

 一方、若手女優たちは「25歳での初出演」をどう思っているのでしょうか。

 永野さんが今回のイベントで「『大人になったんだな』と実感しました」と語っていたように、1つの節目としてとらえている人が多いようです。そもそも芸能事務所も25歳という解禁年齢をわかっていますし、そのタイミングでの出演を狙うことは当然の営業戦略。

「5~18時はお酒のテレビ広告を行わない」という方針のため、CMは必然的に最も視聴者の多いゴールデン・プライム帯(19~23時)になりやすく、そこで放送される連ドラなどへのキャスティングにも好影響があります。実際、「ドラマの間に流れるCMにも主演女優が出演している」というケースをよく見るのではないでしょうか。

 また、女優にとってもお酒のCMに出演することは人気の証であり、とりわけ25歳になったばかりのタイミングでオファーを受けることは自信につながるようです。

 そして、若手女優とお酒をめぐる近年の傾向で見逃せないのは、彼女たちが飲酒にまつわるエピソードを語る機会が増えていること。前述した女優に加えて、広瀬アリスさん、上白石萌音さん・萌歌さん、浜辺美波さん、葵わかなさんら主演級女優がバラエティやイベントなどで、お酒好きなことや酔ったときのエピソードを明かしています。

 あらためて永野さんのCMを見ると、仕事帰りの夕方、トリスハイボール缶を片手に家路へつき、ソファーに座っておつまみと一緒に飲む姿が映されていました。“家飲み”のエピソードが世間の人々に親近感を与え、CM出演にもつながっていくようなムードを感じさせられます。

 さらに影響力が大きいのは、「ぼっち飲み」をYouTubeで配信して500万回に迫る再生数を記録している川口春奈さん。「はーちゃんと一緒に飲んでいる気持ちになってくれたらうれしいです」とコメントしていたように、一体感を与えられるという意味でこれほどCM出演者にふさわしい人もいないのかもしれません。

 もちろん「本当にお酒が好き」というところはあるとしても、それを自ら発信することが女優として意義深いCM出演に結び付くのも事実。「お酒の話はどんどんしたほうがいい」という方針の芸能事務所もあるそうですし、自身のファンやSNSのフォロワーに親近感を与えるためにもこの流れは続いていくでしょう。

 最後に、今年25歳の誕生日を迎える浜辺美波さん、上白石萌歌さん、見上愛さん、河合優実さんらはまもなく「お酒のCM初出演」が実現するのではないでしょうか。

【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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