二所ノ関部屋の処遇はどうなるのか(時事通信フォト)
元横綱・稀勢の里が率いる二所ノ関部屋。所属する大の里は3月場所で初の東の大関となり、“次の横綱候補”として期待を集める。場所前の大関襲名披露パーティでも約1500人を集める活況となったが、関係者の間では「部屋存続の危機」も囁かれている。協会関係者が言う。
「2年前の九州場所の際に、二所ノ関部屋の弟子らが未成年飲酒や乱痴気騒ぎしていた動画が週刊新潮(2月20日発売号)で報じられた問題で、部屋の処遇をめぐって相撲協会内が紛糾している。昨年4月には大の里が部屋の未成年力士と飲酒したことが発覚しており、2回目ですからね。前回は相撲協会が大の里と師匠の二所ノ関親方を厳重注意だけでしたが、今回は処分がないと収まりがつかないかもしれない」
背景にあるのが元横綱・白鵬(宮城野親方)の存在だという。弟子のいじめ・暴力行為があった宮城野部屋は昨年4月に閉鎖され、部屋の力士たちは一門の伊勢ヶ濱部屋に転籍となった。師匠の宮城野親方の階級は年寄に降格となり、伊勢ヶ濱部屋の部屋付き親方になっている。
「協会執行部としては和製横綱の期待がかかる大の里を守りたいのだろうが、宮城野部屋が弟子の北青鵬(引退)によるいじめや暴力が問題視された一方、二所ノ関部屋もいじめに近いような未成年の飲酒。それが2回もあったのに今回も厳重注意だけでは一部の親方衆の反発必至でしょう。まだコンプライアンス委員会も動いていないし、臨時理事会も開催されていないが、執行部は頭を抱えている。
他にも師匠が二所ノ関親方と兄弟弟子の西岩部屋での不祥事(力士の逃亡騒動)があったし、八角理事長(元横綱・北勝海)と同じ高砂一門の九重親方(元大関・千代大海)や人気力士の翔猿(追手風部屋)の不祥事も報じられているが、すべて厳重注意や不問にしていては、都合よく差配しているという話になって白鵬のケースとのバランスが取れない。若手親方を中心に八角理事長への不信感が募っています」(前出・協会関係者)