”点検商法”で逮捕された斎藤大器容疑者(33)。”トクリュウ”のリーダーである可能性もあるという(本人SNSより)
〈楽して稼げるは詐欺〉──そう謳っていた男の素性は、“トクリュウ”のリーダーだった。事件のきっかけは昨年、大阪府の建築会社「新日立建託」が特定商取引法違反の疑いで摘発されたことだ。大手紙社会部記者が事件を解説する。
「大阪府警は昨年11月以降、家の屋根などの工事契約を顧客と結ぶ際に、必要な契約をしなかったり、クーリングオフの制度を故意に伝えなかったりする、いわゆる“点検商法”の容疑で『新日立建託』の社長や従業員ら4名を逮捕していました。
さらに警察が捜査を進めると、兵庫県在住の経営者である斎藤大器容疑者(33)の名前が浮上し、2月18日に男を同容疑で逮捕。斎藤容疑者は会社の実質的オーナーであったとみられています」
“点検商法”は顧客の自宅を訪れ、「屋根が壊れそう」などと不安を煽り、高額な契約を結ぶという古典的な手口だ。男らはこれまで関西各地で同様の手口で荒稼ぎしており、被害総額は少なくとも2億8000万円以上にのぼるという。
さらに、斎藤容疑者には匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ“のリーダーである疑いもかけられている。
「男はSNSで投資家の“牛飼”と名乗り、派手な暮らしぶりをアピールしていました。〈年収1億円可〉〈年収2400万円〜3.6億円〉などと、“点検商法”で訪問営業をする人材を集めていたこともわかっています。
関係先からは、相手の不安を煽るようなセリフをまとめた手書きのノートも見つかっており、集められた人たちはこのマニュアルに沿って、言葉巧みに高齢者などを騙していたようです」