3月3日に成年会見を行った悠仁さま
これまでの18年間、皇室の通例とは別の道を進まれることが多かった悠仁さま。その背後には、常に母である紀子さまの存在があった。しかし、成年の節目に紡がれた言葉には自立への意志がにじんでいた。将来の天皇が示した決意の内幕に迫る──。
緊張しつつも、どこか覚悟を決められたような面持ちで、ゆっくりと質問に答えられる悠仁さま。カメラの向こうの国民に向かって丁寧に語りかけられるご様子は、成年皇族としての覚悟と、母・紀子さまからの“卒業”を感じさせるものだった。
週末の暖かさから一転、余寒の春雨となった3月3日、将来の天皇でおられる悠仁さまの成年会見が赤坂御用地で行われた。ダークカラーのスーツに白いシャツ、首元は臙脂色を基調としたレジメンタルタイという装いで晴れ舞台に臨まれた悠仁さま。冒頭で、質問役を務めた記者から「緊張していますか」と問いかけられ、はにかまれながら「緊張しております」と応じる場面もあった。
「象徴天皇制について尋ねられた際に、『上皇陛下がお考えになってこられ、天皇陛下が先日の記者会見でおっしゃっていましたように、常に国民を思い、国民に寄り添う姿なのではないかと思います。また、皇室のあり方につきましても、天皇陛下のお考えのもと、人々の暮らしや社会の状況に目を向け続けていくことが重要であると思います』とお答えになったのが印象的でした。ご自身が将来の天皇であるということを強く意識したご発言だったと思います」(皇室記者)
実際、記者からの質問への回答に先立ち、悠仁さまは岩手・大船渡で発生した山林火災へのお見舞いの言葉を述べられるなど、上皇さまや天皇陛下がなされてきたように、困難に直面する国民へ寄り添う姿勢を真っ先に示された。
「2月に入ってからは、秋篠宮家の側近である皇嗣職大夫がいつも以上に慌ただしくしている様子が目撃されており、この日のために、秋篠宮さまや紀子さまと一緒に、悠仁さまは入念にリハーサルを重ねられていたのでしょう。
宮内庁の担当記者らからは、あらかじめ成年皇族となられたことへのご感想、ご性格について、海外留学やご結婚といった将来、4月に始まる大学生活、そしてご家族についての『5つの質問』が寄せられていました。悠仁さまは周囲のサポートを受けられながら、時間をかけてご自身で回答を用意されていたようです。
振り返れば、中学の入学式で新入生代表の挨拶を務められた際には、年齢に比べて難しい言葉が多く、文面に紀子さまのご影響をみる声が多くありました。その点では、今回はご自身で試行錯誤されたであろう表現を大事にされたことが伝わり、成年皇族として自立して歩んでいくのだという決意も感じました」(宮内庁関係者)
性格については、トンボの観察など心惹かれるものに没頭できることを、長所としても短所としても挙げ、最近は、昆虫以外にも植物への関心が高いことも明かされた。「野菜作りや稲作を趣味とされているそうで、先日の誕生日会見で天皇陛下も『(悠仁さまが)野菜作りについて、生き生きと話してくれる』とお話しされていました。
ご自身のご結婚については、『(時期や相手について)まだ深く考えたことはありません』と短く答えられたのみでしたが、まだ高校生ですから、これは仕方ないことでしょう」(前出・宮内庁関係者)
テレビには映らなかったが、会見では事前に準備した質問から派生したアドリブ質問と、その回答も見どころだった。
「1985年11月に行われた秋篠宮さまの成年会見では、中国語を披露されたり、好きなタイプの女性として戦前生まれの元宝塚女優の名を挙げられたりとサービス精神を発揮され、ご自身も楽しまれている様子がうかがえました。
悠仁さまも、ご家族に卵料理を振るまわれ、出来栄えにこだわられる秋篠宮さまの一面を明かして、場を和ませていました。ご自身がお好きな俳優やアイドルについて、固有名詞は挙げませんでしたが、音楽は幅広いジャンルを聴かれているそうです」(前出・宮内庁関係者)