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【3.10東京大空襲から80年】日本人“空襲カメラマン”が捉えた被害の実態 心の中で「申し訳ない」と謝りながら撮影、GHQからの提出要求を拒んで守り抜いたネガ

3月10日撮影。浅草で、わずかな家財を大八車に積んで移動する家族

3月10日撮影。浅草で、わずかな家財を大八車に積んで移動する家族(撮影/石川光陽)

 一夜にして10万人が犠牲になった1945年3月10日未明の東京大空襲。その惨状を写真に撮っていたのが警視庁所属のカメラマン・石川光陽氏(1904-1989)だ。

 次女・令子さん(84)が話す。

「米軍が初めて本土を爆撃した1942年4月18日の空襲以来、父は警視総監から『空襲カメラマン』を命じられていました」

 光陽氏の手記によれば、3月9日夜、なぜか大空襲の予感がした光陽氏は桜田門の警視庁に泊まることにした。日付が変わるとすぐ、米軍機の大軍が関東地方に接近中と緊急連絡が入った。当日は烈風が吹き荒れ、「焼夷弾の火は瞬時に広がり、修羅場になる」と光陽氏は慄然とした。

 じきに空襲が始まり、光陽氏はシボレーを駆って東へ。浅草橋に到着すると隅田川の東側で大火災が発生し、両国橋を激流のように人々が逃げていた。両国警察署(後の本所警察署)に立ち寄ってから愛機のライカDIIIを手に外に出たが、強風が火だるまになった人々を地面に押し倒すなど、予感通りの地獄絵図が広がっていた。光陽氏も死を覚悟したが、崩れた石塀に身を伏せ、なんとか難を逃れた。

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