兵庫県議会本会議で、自身の疑惑を調べる調査特別委員会(百条委員会)の奥谷謙一委員長(左端)の報告を聞く斎藤元彦知事(右から5人目)。3月5日(時事通信フォト)
「これでは学校で自分の言うことを聞かなかった生徒やクラブの部員を、教師や監督が教育や躾のために手をあげたというのと、どこが違うのか」と呆れ返った元姐さんは、「こんな会見を知事にされたら、兵庫県庁の職員たちはこの先何も言えないよ」。
普通の人たちは違うだろう?
関東を拠点に活動している暴力団の組長A氏も、昨年の兵庫県知事選の後、こう言っていた。
「俺たちに言わせれば、斎藤知事に投票した兵庫県民は知事にパワハラをやっていいと認めちゃったようなもんだ。陰謀説にのっかって斎藤知事を応援したヤツらは自分たちが正義だと思い込んで、返り咲かせてしまったんだろう。ハラスメントに厳しい今の時代に逆行している選挙結果を出すなんて。知事のパワハラ体質は今後も変わらないな」。ヤクザはパワハラに敏感だ。自分たちがパワハラありきの組織で生きているからだ。
「俺たちはそういう世界に自分から入っているから、パワハラは当たり前。それがおかしいとか、そんなことを考えている暇もない。だが普通の人たちは違うだろう?」とA氏は言った。
斎藤知事は告発文を“噂を集めたもので真実性に欠ける”とし、公益通報制度に当たらないと判断、犯人捜しを行い、告発者を処分。百条委員会はこの処分を告発者潰しにあたると判断した。「ヤクザが自分たちの都合のよいように法律を解釈して行動すれば、即逮捕。これでは勝てば官軍みたいだな」と斎藤知事を皮肉っていた。
斎藤知事の定例会見を受け、読売新聞の社説は《これでは、再び同じような事態が起きても、また告発者潰しをやると言っているに等しい」と厳しい。ヤクザもヤバイ、怖いという斎藤知事のいる兵庫県庁は、この先どうなるのか。