兵庫県議会本会議で、自身の疑惑を調べる調査特別委員会(百条委員会)の報告書が議決された後、取材に応じる斎藤元彦知事。3月5日(時事通信フォト)
警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、疑惑が認定されても反省の色も見せないと批判されている兵庫県の斎藤元彦知事の「パワハラ」について。
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「兵庫県知事、マジでヤバイ。ヤクザよりヤバイよ」。兵庫県の斎藤元彦知事が行った定例会見を見て、暴力団の元姐さんが声を荒らげた。組長が亡くなり組織とは関係が亡くなったとはいえ、ヤクザ社会のあれこれに精通している姐さんは、斎藤知事の言動に驚いたのだ。
斎藤知事の内部告発文書を調査する百条委員会が、ようやく報告書案をまとめ、本議会で了承された。その内容は県の対応について「全体を通して客観性、公平性を欠いており、大きな問題があった」。知事のパワハラについても「パワハラ行為と言っても過言ではない不適切なものだった」としている。
斎藤知事は3月5日の定例会見で、委員会の報告を「重く受け止める」としながらも、報告書は「一つの見解」と言ってのけた。告発文書を作成した県職員の広報パソコンに保存されていた私的文書の内容には、「倫理上極めて不適切な、わいせつな文書を業務時間内に作成していた」と言及し、告発された内容ではなく、告発者の情報を持ち出し懲戒処分を行った自身の行為を正当化したのだ。多くのメディアが斎藤知事のこれらの発言に疑問を呈し、否定的なコメントを載せた。
「組長が自分が正しいと主張するのはヤクザの世界では当たり前だけど、それはヤクザならではのこと。力と金でシマを牛耳り組織を大きくする。パワーで子分たちを支配して動かしていく。半端者が多いといわれたヤクザたちに、白黒つかないグレーな部分で仕事をさせるには、組のルールやしばりが必要。兵庫県庁なんてまともな組織で、いるのはまともな職員たち。知事が告発者潰しを問題がなかったと言うなんて。チクったやつは許さないというヤクザと変わらない」と、元姐さんは呆れたようにいった。
3月11日の定例会見でも斎藤知事は態度を変えなかった。わいせつな文書という言葉は使わなかったが、その点を記者に問われると顔を紅潮させ「誹謗中傷性の高い文書を作成した」「適切に処分した」と述べた。さらに「業務上必要な範囲で、厳しく指導や注意をさせて頂いた」「いい仕事をして頂きたいという思いでさせて頂きました」とさらりと言ってのけたのだ。