早くも優勝した竹田麗央
今季から史上最多の13選手の日本人選手が参戦している米女子ゴルフツアー。昨季まで同ツアーを主戦場として戦っていた8人に加え、日本ツアーのメルセデスランキングトップ5のうち4選手を含む5人が新たに戦いの場に選んだ。そのなかで、最初に優勝したのは昨季の女王・竹田麗央(21)だった。本格参戦5戦目での優勝は福嶋晃子(12戦目)のを大幅に塗り替える日本人最速記録。
見事優勝を果たしたのは中国で開催された「ブルーベイLPGA」(海南島・鑑湖ブルーベイGC)。最終日を単独首位で迎えるとそのまま独走。2位に6打差をつけての優勝だった。開幕戦で8位になると、5戦でトップ10入りが3回と安定した成績を残していた竹田。全米女子プロゴルフ協会がSNSで「今のタケダは止められない」と発信したほど。竹田の強さの秘密はどこにあるのか。多くの人が上げるのがその日本人ばなれしたパワーだ。
「昨季、日本ツアーで年間8勝を挙げ、21歳222日と過去3番目の若さで年間女王に輝いた竹田の最大の武器は、国内ランク1位のドライバー平均飛距離(263.19ヤード)とされています」(ゴルフ記者)
高くて止まる「フェード」
だが、プロゴルファーの沼沢聖一氏は「竹田プロの強さはドライバーの飛距離ではない」と説く。たしかに米女子ゴルフツアーではドライビングディスタンス(平均飛距離)は264ヤードで32位。同じ日本選手では272ヤードで12位の岩井明愛の方が上位だ。
「飛距離よりもドライバーの『精度』でしょうね。今大会は4日間で17アンダーでした。最終日の64はドライバー、アイアン、パターがすべて噛み合わないと出ないスコアですが、特にアイアンショットが素晴らしい。竹田プロはアイアンでグリーンに止まるような高いフェードボールを打つことができます。これが最大の武器でしょう。ドライバーは飛ばなくてもフェアウエーに置くことができれば、アイアンでピンを狙える。オフに課題としていたアプローチを相当練習したそうですが、パーオンすることでプレッシャーがかからずに思った通りのプレーができていることが好成績の原因でしょう」(沼沢氏)