活動を始めて6年以上が経つ。今までに探訪したラブホは170軒以上
日本独自の“カップルのための空間”として発展してきたラブホテル。昭和ラブホ愛好家のゆななさん(28)は、全国170軒以上のラブホテルを巡り、客室写真や自画像を撮影している。YouTube、XなどのSNSフォロワーは合計9万人を超える。
「もともとレトロ文化が好きだったのですが、ある日、鏡張りでスペースシャトル型のベッドの部屋の写真を見て、衝撃を受けました。実際に東京の蒲田にあるラブホに行き、鏡張りの部屋を見た時には、『私は昭和ラブホを見るために生まれた』と天啓を受けたような瞬間でした」(ゆななさん。以下同)
昭和ラブホの最大の魅力はベッドにあるという。
「勝手ながら、回転・馬車・貝殻を3大ベッドと定義しています。相次ぐ廃業で年々現物が見られる場所が減っていますが、青森県おいらせ町の老舗ラブホ『ナポレオン』にはこの3つが揃っています。お気に入りのラブホテルのひとつです」
「文化遺産として残したい」
ラブホ探訪を重ねるなかで知り得たのは「昭和時代の情熱的な性への欲望」だった。
「なかには『まさに性愛空間』というデザインで恥ずかしい場所もありますが、不思議と嫌悪感はなく、正直面白いなと思います。栃木県日光市の『ホテルキング』にある、透明なお風呂が強烈で。1階のベッドルームから2階のバスタブの様子が見えてしまうんです。ラブホテルを含め、最近の建物にはない強い個性を感じます」
7年間活動を続ける中での取材スタイルは、原則ひとりで入室することだ。
「ひとりで入ると、『後から部屋に入られる方はいますか?』と尋ねられることもあります。怪しまれる時もありますが、どのオーナーさんも好意的にご協力いただいています」
将来的には全国のラブホを全制覇するという目標に加え、“ラブホ博物館”の設立も見据える。
「昭和ラブホを文化遺産として残したい思いが強くなっています。昭和ラブホのベッドや備品などを披露する場所が未だ見つからないので、良い場所を教えてください!」