農作業する様子の写真とともに、農業への熱い思いを記した(ローラ公式インスタグラムより)
ローラがそういう気持ちになったのは、「自分が毎日頂いているご飯っていつも誰かが育てて、誰かがそれを運んで、という形でいつも誰かに頼りながら私は食べ物を頂いて生きているんだなという事に氣づいたの」。自分が変わるきっかけや出来事を彼女はインスタでこのように語っていた。実は、転機となった出来事以上に、”自分の転機となった経験を語る”ということが心理学的には重要なプロセスになるという。
転機の心理学を研究する近畿大学の杉浦健教授は、これを「自己転換の語り」と名付けている。「転機が自己形成や人生に与える心理学的な仕組み」(「こころ」のための専門メディア金子書房)という記事の中で、杉浦教授は《転機の出来事が本当に意味を持つのは、転機の出来事のときではなく、その出来事を語った時点で振り返ったときである》といい、《自分が転機の語りによって積極的に変わったと思っている(もっと言えば思い込んでいる)ために、何か行動しなければいけないときに、転機の経験を根拠にして積極的に行動する勇気を持つことができる》という。
「ついに、今年は人生ではじめて土に手をいれて種から命を大地でそだてるという人生の新たな挑戦をスタートしました!」というノートに書かれた画像のように、転機を語り、問題提起を行い、農業を学んでいくと宣言したローラは、もう簡単には後戻りできない。だが転機の語りはその人自身の成長を増強し、変わっていく自分を認識することで、さらに積極的に活動できるようになるという。ここから彼女が就農を通してどう変わっていくのか、インスタグラムの更新が楽しみだ。
でも、せっかく佐藤えりという本名を明かして宣言をしたのに、インスタグラムのノート画像に書かれていた署名は”佐藤えり”ではなく”ローラ”。本名の方が決意が伝わってよかった。ちょっと残念だ。
手書きメッセージも同時にアップ(ローラ公式インスタグラム)