広岡達朗氏は古巣・巨人への“辛口見解”も
日本プロ野球の開幕が目前に迫ってきた。昨年はDeNAが26年ぶりに日本一に輝いたが、今季のセ・パ両リーグはどのチームが制するのか。巨人で名ショートとして活躍し、引退後はヤクルトと西武を常勝軍団に育て、日本一に導いた名将・広岡達朗氏に「今年のセ・リーグは?」と訊ねると、古巣・巨人への“辛口見解”を示した。
【広岡氏の順位予想】
セ・リーグ 1位=阪神 2位=巨人 3位=DeNA 4位=広島 5位=ヤクルト 6位=中日
パ・リーグ 1位=ソフトバンク 6位=日本ハム、ロッテ、オリックス、楽天、西武
巨人は今オフに田中将大(36)や甲斐拓也(32)を獲得して、70億円だかをかけた「大補強」と持ち上げられているが、言うほど戦力アップになっていない。本来は優勝間違いなしと言いたいところだが、阪神が1位と予想せざるを得ないな。
田中は久保康生コーチとマンツーマンでフォームを“魔改造”しているというが、あれほど打ちやすい投げ方はない。年齢的な衰えも明らかで果たして何勝できるのか。甲斐も「優勝請負人」と持ち上げられているが、セの野球を知らない甲斐を正捕手にして、昨季まで使ってきた岸田行倫(28)や大城卓三(32)を無条件でサブに回した。
まるで巨人の伝統に合わないやり方であり、勝てるはずがない。400勝投手の金田正一が国鉄から巨人に移籍した時は、投手や捕手が「どれくらいのものか試してやろう」と言った。厳しい競争こそが強い巨人を作ってきた。今の選手にはそうしたプライドが見えない。
その点で言うと、阪神のほうがやる気があるね。キャンプ中継を見ていても、それが伝わってくる。これまではいまひとつだった佐藤輝明(26)がバッティングに目覚めたようだし、今季から4番を任された森下翔太(24)も着実に成長している。競争心を持って切磋琢磨しているからでしょう。阪神には巨人が(FAで)獲得し損ねた大山悠輔(30)もいて、クリーンナップに計算できるバッティングをする選手が揃っている。