水面下で教団は「自民党との関係回復」を狙っている可能性も(時事通信フォト)
東京地裁が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に解散命令を出した。同地裁は、多額の献金を求めたことなどが民法の不法行為に該当し、宗教法人法が定める解散要件である「法令違反」に当たると判断した。
同教団の田中富広・会長は「最後まで戦う」と語り、3月25日夜の会見では1時間半にわたって反論を繰り広げた。法廷闘争は今後、高裁、最高裁まで争われそうだが、その一方で教団側には政治的な動きを活発化させる構えもあるという。教団を追及してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏が語る。
「統一教会は先の総選挙で組織として自民党を応援しないことを決め、教団寄りだった自民党議員の多くが落選した。それでもなんとか国政に影響力を持ちたいと考えているのか、国政進出の動きもあります。
教団信者が千葉で『日本の家庭を守る会』という政治団体を立ち上げ、参院選に出馬する計画を表明しています。3月20日には『信教の自由と人権を守るシンポジウム 千葉県大会』を実施しました」
国会で議席を得れば信教の自由などについて教団側の立場から質問主意書提出や国会質疑が可能になるが、自民党から関係断絶を宣言されるなかで大きな流れは変わらないように思える。
エイト氏は、政界進出はあくまで「表の動き」で、水面下で教団は「自民党との関係回復」を狙っているとも見る。
「教団は自民党との関係を諦めたわけではない。裏の動きとしては、今後、自民党議員に関連する統一教会との関係を示す新たな情報のリークも行なわれるかもしれません。もちろん、教団に不利にならない部分に限って。そうやって情報戦を仕掛けて自民党を揺さぶって、教団と自民党の関係を再開させたいという意向はあるでしょう」(同前)
石破内閣には、石破首相や加藤勝信・財務相をはじめ、教団との接点を持っていた閣僚は少なくない。石破氏は、教団側から献金を受けたことを認めている。果たして今後、どんな“爆弾”が投下されるのか。
※週刊ポスト2025年4月11日号