40歳で刑事告訴された
「いつかは明るみになるだろうと不安で…」
弁護人からの被告人質問で当時の心境、そして事件後の境遇などについて答えた。時おり声を震わせる場面もあったが、真っ直ぐ前を向いて答えていた。まずは約7800万円の脱税の事実、犯行動機について検察官の主張通りであると認めた。
弁護人「誰かに相談しようとは思わなかったのですか」
被告「私は人に頼ったりするのが苦手で、このような結果に……」
弁護人「確定申告をしなくても発覚しないと思っていたんですか」
被告「いや、いつかは明るみになるだろうと不安な毎日でした」
国税局が査察に入った際、すぐに逮捕されると考え、ありのままを認めたという。収入のほぼ全てを自身の口座に入れており、脱税のための隠蔽工作などの指摘はされていない。
前述の通り起訴されている未納分は全額納付済みであり、その他にも起訴されていない別年度の納付漏れの所得税、消費税、地方税なども納付した。これらはいずれも自身の預金からなされていることを供述した。
犯行そのものは、その額の大きさからも悪質であることは間違いないのだが、その後の納付の対応などを聞くに、一定の同情を感じるものであった。しかし、弁護人が現在の収入源を聞くと、被告人からは驚きの言葉が返ってきた。