国内

《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」

 
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性

「岡田ゆい」の名義で活動していた女性

 動画配信ビジネスが活発な昨今。一般人から芸能人まで誰もが「配信者」として動画を公開し、広告収入や「投げ銭」などの収益を得られるようになった。その一方で、配信にともなう金銭トラブルなども社会問題化している。

 そんななか、2025年3月25日、自らの職業を「動画配信業」とする女性(40)の裁判が、横浜地裁で行われた。同被告は「岡田ゆい」の名義で主に、自身の行為などを撮影した成人向け動画を配信・販売していたが、得た収入を一切納税しなかったことで、昨年11月、所得税法違反の疑いで刑事告発されていた。

 法廷で涙ながらに語る被告の言葉からは、動画配信に関する問題の深淵も感じさせられた——ライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】

 * * *
 起訴状などによると、被告は別名義で自撮りなどして作成した大人向け動画等の販売で、令和2年度から令和4年度の3年間で約2億1000万円以上を売り上げ、約7800万円の所得税、復興特別所得税の納税義務があったにもかかわらず、確定申告を一切行わずその納税を免れようとしたとされている。

 被告は白のシャツに黒のジャンパースカートを身につけ、ストレートの黒髪に、メガネと灰色のマスクを着用して法廷に現れた。被告は「間違いありません」とその事実を認めた。背筋を伸ばし凛とし、裁判に向き合う姿勢が印象的であった。

 検察官の冒頭陳述によると、被告人は高校卒業後、数年の会社勤めを経た後、2006年にはもともと趣味であったコスプレの被写体としての活動を本格化させた。2009年には事件当時に使用していた名義で活動するようになり、その翌年には自撮りの大人向け動画をダウンロード販売・DVD販売した。その後も、グッズ販売、有料配信など活動の幅を広げていった。

 事件当時、夫と子が2人いたものの、本件発覚後に離婚している。各種活動について、家族の認識がどこまであったかは不明瞭であるが、夫はDVDの焼き増し作業を一部手伝っていたものの、活動のほとんどは被告が単独で行っていた。

 脱税の動機について、捜査機関での取調べで被告は2点挙げている。1点目は、想像以上に売上が順調となり、どのように納税の対処をしたらいいかわからなかったこと。2点目は、夫の扶養に入っていた被告にとって、自身の確定申告により、夫の会社にその活動内容を知られる不安があったこと。

 これほどの大規模な脱税行為と聞くと、派手な金銭感覚を想像してしまいそうになるが、主な使途は生活費で、その他の多くは貯蓄に回されていたという。それを証明するかのように、事件化されている3年分の所得税と延滞税はすでに納付を完了していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン