濱田淑恵容疑者は「信者」への影響力をどう強めていったのか
男性2人をそそのかし、入水自殺させたとして自称占い師の濱田淑恵容疑者(62)が逮捕された事件。
なぜ被害男性は濱田容疑者の指示に従うようになったのか。全容解明はこれからだが、「信者」への影響力を強めた手法が取材により少しずつ明らかになってきた──。
被害男性の1人であり、亡くなるまでの十数年間、濱田容疑者のもとで生活していた寺本浩平さん(当時66)の長男は、本誌に寄せた手記(3月17日付、NEWSポストセブンにて報道)で、父親への遺恨をこう綴っていた。
〈これまで父親に対して抱いていたのは、『自分を見捨てた最低の父親』というものでした。家族や親戚との縁を切ると一方的に言ってきました。以後、何の連絡もありませんでした〉
寺本さんと長男の双方を知る知人が言う。
「昔は父子で直接会ったり、電話で話したりすることもあったのに、いつしか誰が打ったかわからないメールだけのやりとりになり、連絡は途絶えました。見捨てられたと思っていた長男に対して、捜査員は『お父さんは悪い人ではない』と言ったそうです。連絡がなかったのは彼を見捨てたからではなく、濱田容疑者に携帯を取り上げられていたからだというのです」
濱田容疑者のもとで10年超生活していたという別の男性の母親も、息子とのやりとりに違和感を抱いていた。
「(実家を出てからも)たまに携帯で連絡を取っていました。母の日にプレゼントを送ってくれたこともあります。でも、いつからかLINEの言葉遣いが(息子)らしくないというか、本人とは思えない文面で不安に思っていました。大阪で働いていると聞いていたのにお盆も正月も帰ってこず、こっちから行っても会ってくれなくなりました」
全国紙社会部記者はこう話す。
「家族や親族との連絡を絶たせて外の情報を遮断する。そうすれば自分の言うことを信者らに聞かせやすくなると考えていたのではないかとみられています」
閉ざされた空間で何が行なわれていたのか。真相究明が待たれる。
※週刊ポスト2025年4月11日号