ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
「火葬のあとは、葬儀もお別れ会もなく……。愛里とは寂しいお別れになってしまいました」──そう取材に応えたのは、ことし3月11日に東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなったライブ配信者“最上あい”こと佐藤愛里さん(22)の友人だ。
事件の当日、佐藤さんはJR高田馬場駅の近くを歩きながら、動画配信サービス「ふわっち」で“3.11 山手線徒歩1周”という企画のライブ配信を行っていた。そこへ突然、刃物を持った男が彼女を襲った。犯行前後も動画配信は続いており、画面上には血まみれの佐藤さんの姿や、彼女のスマホ画面を覗き込む男の様子が流れ続けていたという。配信を見ていた佐藤さんの友人がその一幕を語る。
「愛里が『きゃー!助けて!!』と叫んで、画面がしばらく見えなくなりました。次に画面が明るくなったと思ったら、男が愛里の体をバンバン蹴っているところも見えて、その瞬間に『ああ、もう愛里は助からないんだ』ってことを悟ってしまって……」
その場で取り押さえられた男は、高野健一容疑者(42)。駆けつけた警察官に対し「貸したカネを返してもらえず刺した」などと説明し、その後の取り調べでは佐藤さんと“金銭トラブル”があったと供述している。
司法解剖の結果、佐藤さんの体には上半身を中心に30か所ほどの刺し傷があり、「警察は男に相当強い恨みがあったとみている」(全国紙社会部記者)という。3月24日から鑑定留置されており、刑事責任の有無を含め捜査が進められることになる。