鼎談で3人が一堂に会した(『週刊ポスト』2015年1月23日号)
「押し出しの四球」が増えたのは投げ込んでいないから
金田さんが「今の若い選手はそういう話を聞いても、“時代が違う”と言うんだよな」とボヤいてみせると、小山さんはこう続けた。
「時代が変わっても野球は変わらないんだからね。丈夫な体をもらったというのもあるが、その後の積み重ねだと思いますね。ボクたちの時代には考えられなかった押し出しの四球がよくあるんですよ。これには驚きますよ。押し出しの四球なんてボクらの時代はチームで1年に1回あるかないか。
今の子はストライクを投げたくても投げられない。なんで投げ込んでコントロールを身に付けないんだと言うと、ある指導者が“肩は消耗品だ”というわけですよ。こんなバカなことをいう。ピッチャーは球を投げるポジションですよ。それが球を投げたらアカンいうて、どうするの?」
金田さんが「コンディションが悪いなかで投げさせられるから、今の子はダメになるんじゃないか」とフォローする場面もあった。それでも小山さんはこう持論を展開した。
「投げて強い肩を作れと声を大にして言いたい。ボクら現役時代はみんなモヤシみたいな腕でしたよ。速いストレートが武器だった大洋の権藤正利が細い腕をしていた。なんでウエイトトレーニングをやるのか。そこに行き着くね」