減税、補助金政策に翻弄され、猫も杓子もハイブリッドだった2010年度。そして、震災、エコカー補助金の終了した今、少しずつ冷静に、楽しめるクルマを選ぶ気運が高まっている。
ぶっちゃけて言うならば、いまどきの最新モデルで、燃費が悪くて、壊れやすくて、乗りにくいクルマなどない――ということだ。
だからクルマのデザインはもっと遊んでいいはず。言い換えれば、中身がきちんとエコならば、ルックスは先鋭的でアヴァンギャルドな、そんな選択肢がもっとあってしかるべきであり、例えば、それを実践しているメーカーのひとつがフランスのシトロエンである。自動車ジャーナリストの西川淳氏は言う。
「これまでシトロエンと言えば、宇宙船のようなエキセントリックなデザインと”ハイドロ”と呼ばれる浮遊感のあるサスペンションによって、クルママニアからは高く評価されてきました。しかし、その一方で、壊れやすいというネガなイメージもあり、日本ではいまだニッチなクルマのイメージが強い。しかし、欧州ではもっと一般的なブランドとして認知されています」
プジョー・シトロエン・ジャポン マーケティングディレクターのシルヴァン・ヴォデヌ氏はこう語る。
「欧州市場において、シトロエンはもはやマニアックなクルマではありません。過去5年はこれまでで最も成長を遂げており、A、B、Cといういわゆるコンパクトカーのセグメントにおいては、いまやVWに次ぐ2位の座を獲得しています」