倉本さんのインタビュー中、香りに関連して“気持ちが高まる”といったコメントが多く、暮らしの中で香りを楽しむことが、生活を楽しむことと通じている印象を受けた。
実際に3か国の主婦アンケートでも、香りつけを行っている家庭は全体と比較して、夫婦・親子・両親との関係がいずれも「良好」な家庭が多い結果となっており、“いい香りのするおうち=仲良し家族”という効果もあるようだ。
そこで香りのプロであるP&Gのパヒューマー濱野潤二氏に、香りのもたらす効果などについてお話を聞いてみた。
「香り――嗅覚は、人の心理や記憶にもたらす効果が高い感覚と言われています。
脳の研究によると香りを感じるのは脳の深い場所――感情に近い場所にあるということで、科学的な証明はまだできていませんが“いい香り”を感知すると、脳は“いい状態である”と受け取るそうです。
“いい香り”という感じ方は人それぞれに違いますが、気に入った香りなどで“なりたい気分”に近づけることは可能だと思います」(濱野氏)
香りによって脳の状態が変化するのであれば、“いい香りのするおうち=仲良し家族”という傾向になるのも納得。そういった情報を知れば、もっと積極的に“暮らしに香りを取り入れたい”と考える人が多くなるだろう。
「近年、香りに対する日本人の姿勢が大きく変化していますが、まだまだ香りの楽しみ方が足りない気がします。
“お気に入り”を見つけるためには、いろいろと試してみてもらいたいですね。たくさんの香りを試す中で、パーソナリティと重なるものが、きっと見つかるはずです」(濱野氏)
“いい香りのするおうち=仲良し家族”というのを実現するには、家族――とりわけ夫など「男性にも香り選びに参加してもらいたい」と濱野氏は語る。
シュッとするだけで、簡単に家族がリラックスして気持ちよくすごせる“いい香りのするおうち”作りや、インテリアを手軽にセンスアップできるエアデコは、忙しい主婦にこそぴったりな“暮らしの知恵”。あれこれ試しながら自分の“お気に入り”を見つけられれば、家が今よりもっと快適な場所になるはずだ。