須田は、7月4日のヤクルト戦でプロ初完投、初完封を挙げるが、このときの捕手は鶴岡だった。その後も、鶴岡とバッテリーを組み続け、自己最多の6勝をマークした。黒羽根とはクライマックスシリーズ進出の可能性が消えた10月3日にコンビを組んだが、最短となる3回途中5自責点でノックアウトされている。
ルーキーながら、5月から閉幕までローテーションを守った三嶋は、8月末まで鶴岡とバッテリーを組み続け、オールスターにも選ばれる活躍を見せた。9月以降、先発マスクは黒羽根に代わったが、防御率はむしろ向上した。
開幕からローテーションに入った井納は、デビュー戦から4試合連続で高城と組み、4連敗。5月7日、鶴岡との2度目のコンビで、プロ初勝利を挙げている。その後も鶴岡とのマスクで試合に臨んでいたが、6月28日の中日戦で2か月ぶりに高城と組むと、1回にいきなり7失点し、ファーム落ち。
2か月後の8月31日のヤクルト戦で、久しぶりの先発を果たすが、4回途中8自責点でノックアウトを食らう。捕手は、黒羽根だった。だが、井納は9月に入り先発した4試合、すべてでクオリティ・スタート(先発6イニング超で3自責点以下)を達成。9月28日の巨人戦では、プロ入り初完投を挙げた。それらのし合いは、すべて鶴岡が先発マスクを被っていた。昨季の井納は5勝しているが、すべて鶴岡が先発マスクのときなのだ。
鶴岡以外の捕手が先発マスクを被った12試合では、3人で1勝(7敗)しか挙げられていない。勝率は1割2分5厘となる。若手捕手と組んで防御率が良くなった三嶋は別として、須田や井納にとって、鶴岡の存在は大きかったといえるだろう。ただでさえ投手陣に不安を抱えるDeNAだけに、鶴岡の移籍は想像以上に痛いものかもしれない。