ここ数年、国内の自動車需要を牽引するほどの売れ行きを見せる軽自動車。2013年の軽新車販売は、過去最高となる211万2991台(全国軽自動車協会連合会調べ)を記録。消費増税前の駆け込み需要も手伝って、その勢いはとどまるところを知らない。
各メーカーが凌ぎを削る新型車開発や販売競争も一層激しさを増している。軽の中でも各社がもっとも注力しているのは、天井が高く室内が広い「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプだ。
軽トップメーカーであるダイハツ工業の『タント』、2位スズキの『スペーシア』、ホンダ『N―BOX』など、いずれもスーパーハイトワゴンの売れ行きは絶好調。「コンパクトカーより広く感じて長距離ドライブも苦にならない」(30代軽ユーザー)といった普通車からの乗り換え需要さえ取り込んでいる。
そんな上位3社に割って入ろうとしているのが、<日産自動車・三菱自動車連合>である。
2月13日より両社の共同開発車第2段となるスーパーハイトワゴンの発売をそれぞれ開始。すべて三菱の水島工場にて同じプラットフォーム(車台)で製造しているため、基本的なフォルムやデザインは同じだが、内装やフロントマスクで両社の特徴を出し、日産は『デイズ ルークス』、三菱は『eKスペース』の車名で売る。
自動車ジャーナリストの井元康一郎氏は、特に三菱eKスペースの商品力を高く評価する。
「軽らしからぬ質感の高いインテリアに三菱の意気込みを感じます。最近ではホンダのNシリーズがインテリアにこだわっているのですが、eKスペースも決して競合車種に見劣りしない出来栄えで、おもてなしの演出を目いっぱい詰め込んできた印象を受けました」
その他、後部座席までエアコンの風を行き渡らせるサーキュレーターや、クルマの真上から見ているかのような映像を映し出すアラウンドビューモニター(eKスペースはオプション)などは共同開発のメリットを最大限に生かした装備。スケールメリットを追求しながら、付加価値や利便性の高さで他社のハイトワゴンを追撃する構えだ。